長嶺林三郎・森廣の写真、大学附属臨界実験場と植物園の池の風景画と台湾からのはがきが初めに載せられ本回は始まる。満州支會と仙台支會が設立されたことが簡単ではあるものの記されている。會員の地理的分布も掲載され、北海道と東京だけでなく台湾・朝鮮にも多くの會員が在住していたことが分かる。閑々録というトピックがあり、内村鑑三の著作文の一節の他、学位を授与された数名あまりに対しての同窓会が授与した漢詩が記されている。
満州支会、仙台支会が設立される。職員の異動では有島武郎が予科教授(英語)となる。留学中の本学助教授東海林力蔵氏の死去に対し、内村鑑三が著書『独立清興』(明治35年)の一節を引用し「閑々録」として追悼文を掲載する。明治32年文部大臣より学位を授与された以下の教授連に対して同窓会より漢詩の祝詞が紹介される。廣井勇、宮部金吾、渡瀬庄三郎、新渡戸稲造、佐藤昌介、南鷹次郎。会員の動向としてその令嬢の結婚式が星ケ丘茶寮で行われた記事がある。今日グルメとして有名な北大路魯山人(きたおおじ ろさんじん)の美食料亭である。巻頭に植物園構内の池の写真が掲載されている。広大な池であった。