ニュース

札幌本部

2024.09.16

松井理事長が道功労賞を受賞

当会理事長の松井博和北海道大学名誉教授(75)が2024年度の北海道功労賞を受賞することが決まりました。北海道の経済・社会・文化などの発展に尽力された方々に道が贈る賞で、道知事が行う最高位の表彰です。北海道が9月13日に発表しました。贈呈式は11月27日に札幌市内で行われる予定です。

松井先生は、酵素化学の基礎的研究、オリゴ糖の製法開発、日本初の遺伝子組み換え(GM)関係条例(「遺伝子組み換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例」)の制定を道の委員会座長としてリードするなど、北海道と日本の食料生産と科学技術の発展に寄与したことから「農学分野における科学技術の発展への貢献が多大」(道)として選ばれました。

同賞は1969年(昭和44)年に制定され、第一回に受賞した半澤洵北大名誉教授(農学部)をはじめ、通算で56回182個人15団体が受賞しています。このうち、北大農学部の元教授では2007年受賞の水谷純也先生以来17年ぶり10人目です。

過去の9人は、受賞年の早い順に半澤先生、田所哲太郎先生、犬飼哲夫先生、高倉新一郎先生、石塚喜明先生、高橋萬右衛門先生、高尾彰一先生、辻井達一先生、水谷先生です。

また、日本農学賞と道功労賞を受賞したのは1981年受賞の石塚先生以来43年ぶり3人目。農学部長・当会理事長の経験者としては4人目の受賞となりました。

松井先生は1949年上富良野町生まれで、富良野高校から北大に入学し、1972年農芸化学科を卒業。1984年に農学博士となり、1976年から農学部教員として奉職しました。日本応用糖質科学会、日本農芸化学会などで研究を認められ、2018年には日本農学賞を受賞しました。

2011年から2013年まで農学研究院長を務め、同時に当会の理事長に就任(2011~13年と2017年から現在まで在職)。新渡戸稲造先生の創設した札幌遠友夜学校を考える市民の会の理事長にも就任し、新渡戸先生の事績を後世に伝える事業にも着手しました。2024年には同会が(一社)新渡戸遠友リビングラボに引き継がれ、その特別顧問に就任。かつて遠友夜学校のあった現新渡戸稲造記念公園(札幌市中央区南4条東4丁目)にまちづくり拠点「新渡戸遠友リビングラボ」(仮称)を建設・運営するプロジェクトの先頭に立っています。

現在はこのほか、学会関係では日本応用糖質科学会名誉会員、日本農芸化学会フェローを務め、公職では全道産学官ネットワーク協議会座長、株式会社道銀地域総合研究所顧問、一般財団法人HAL財団理事などに就かれています。

(事務局。写真は櫻井徳直「さっぽろ農学校」特別講師)