札幌本部 2024.02.16 時計台サロン「アジアの稲作と水」開かれる 市民公開講座第67回時計台サロン「アジアの稲作と水」が2月14日、札幌市時計台ホール(時計台2F)で開かれました。北海道大学農学研究院准教授の齋藤陽子先生と、酪農学園大学循環農学類講師の毛利泰大先生のお二方をお呼びし、それぞれ「ネパール・洪水耐性稲の普及」、「インドネシア・水路改良資金の調達」というテーマで基調講演が行われました。 齋藤先生は、ネパール南部の平地でしばしば起きる洪水に地域農業がどう対応するかについての調査を行いました。洪水に強いタイプの水稲品種の遺伝子を、従来の品種に自然交配で導入する取り組みの実態と、新品種を使うことにどのようなリスクをどの程度感じるかといった農家の意識について、調べた結果を話されました。 【講演する齋藤先生】 毛利先生は、インドネシアのジャワ島クドゥス市で川から水田に水を引く水路の維持と利用を巡る調査を行いました。幹線は政府が維持していますが、末端の水路については、農家が加入する水利組合に、地域の実力者が水路改良計画工事を入札。落札者が出資して水利組合の組合長に就任し、農家から利用料を徴収できるという「オークションシステム」について詳しく話されました。 【講演する毛利先生】 公演当日、札幌は季節外れの暖かさとなり、路面は大変滑りやすい状況でしたが、会場にはたくさんの人が訪れ、活発な質疑が交わされました。参加者からも「面白かった」との声が上がっていました。 (「さっぽろ農学校」リポーター・佐藤春佳=4年、写真も)