札幌本部 2023.12.18 クラーク先生玄孫が来学 ウイリアム・スミス・クラーク先生の玄孫、カレブ・キンボール・スミス博士が12月16日(土)、北海道大学に来学、横田篤理事・副学長(当会顧問)らと面談し、クラーク先生胸像、大学文書館、大学総合博物館を見学しました。スミス博士にとって初めての来日。オックスフォード大学在学中の学友である元外交官の嘉治美佐子さんと、当会の久田徳二理事事務局長も同行しました 【大学本部棟内で横田理事(右から2人目)らと面談するスミス博士(左端)】 スミス博士は最初に本部事務棟で横田理事から北大の歴史と今日について概略説明を受けました。その中で横田理事は特にクラーク先生の精神がその後の北大人や市民に多大なる影響を与えていることを強調しました。その後、クラーク胸像を見学し、先祖が北大にかけた情熱に思いを馳せました。久田事務局長が「この胸像は私たち同窓会が約100年前に大学へ寄贈しました」と説明しました。 【自らの高祖父に当たるクラーク先生の胸像の前で笑顔を見せるスミス博士】 大学文書館でスミス博士のために特別に開催されたクラーク先生関連展示を博士が見学しながら、井上高聡(たかあき)文書館准教授から詳しい説明を受けました。クラーク先生が学生たちに大変慕われ、学生たちが「先生を見送りたい」と申し出て島松まで送った話、その時に撮影された先生と生徒たちの写真などが紹介されました。さらに、先生が帰国後、新島襄に対し「札幌にもう一度戻りたい」と話していた逸話なども伝えられました。 【札幌農学校の始まりのころの資料集について詳しい説明を井上准教授(右端)から説明を受けるスミス博士(中央)】 【大学文書館で、クラーク先生の写真や文字など多くの資料を見学するスミス博士(左から2人目)】 その後、一行は総合博物館に移り、管内で最も充実しているとも言える開学当時を伝える展示物、とりわけクラーク先生の事績や遺した言葉、公文書などを見学しました。先祖の姿や文字を見つけてはさかんにスマホで撮影されていました。 【クラーク先生がその基礎を築いた札幌農学校と、生徒たちとの交流に関する展示の前で】 スミス博士は、医師であり土木・環境技術者で、ノース・カロライナ大学のConvergent Science(統合科学)研究所の所長も務めています。16年間ルワンダに滞在し、ジェノサイドの際に破壊された病院で勤務しました。人々の救済と街の再建を目指した統合的な取り組みの中でConvergent Scienceを確立していったといいます。クラーク先生から代々続く科学者の家系の中で、実学的な分野で活躍しているという意味で特異的な存在です。 【北大キャンパスの模型で現在の北大について説明を受けるスミス博士(中央)】 スミス博士は「北大が歴史を大変大事にし、資料を保存していること、先祖の影響も長く続いていることに感銘を受けた」と感想を語り、「フロンティア精神を以て持続可能な未来に進もうとしている北大とノース・カロライナ大学の将来の連携を楽しみにしている」と北大にエールを送りました。 (文は事務局、写真は櫻井徳直当会特別講師)